いすゞがボルボと提携してUDトラック買収

商用車国内大手のいすゞ自動車は18日、スウェーデンの商用車大手ボルボと包括提携する方針を固めた。トラックの電動化や自動運転など次世代技術で協力する。

 午後に都内で両社が記者会見を開く。いすゞは片山正則社長が出席する。いすゞは小型トラックに強みがあり、中大型が得意なボルボとは補完関係が見込めると判断した模様だ。

 ボルボは自動運転技術の開発でも先行し、国内では完全子会社「UDトラックス」(埼玉県)を持つ。いすゞとUDトラックスの生産面などでの連携も今後の検討課題になりそうだ。

 電動化や自動運転の開発競争は販売台数が多い乗用車分野を中心に進んでいるが、環境規制の強化などを受け、商用車でも開発競争が激しくなっている。いすゞは巨額の開発資金やノウハウを分担するため提携先を探していた。

 国内の商用車メーカーでは、トヨタ自動車の子会社日野自動車が2018年4月、独フォルクスワーゲン(VW)と包括的な提携を検討すると発表。三菱ふそうトラック・バスも商用車最大手の独ダイムラーの傘下に入っている。

 いすゞを巡っては、米ゼネラル・モーターズ(GM)が経営悪化で提携を解消した後、トヨタが06年に出資していた。だが、提携効果に乏しかったことなどから18年8月に、トヨタとの資本関係の解消を発表していた。

 中大型トラックでは、ダイムラーや中国勢が世界市場をリードするなか、いすゞは出遅れていた。

(読売新聞)

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