【運送業界ニュース】特別インタビュー 日本倉庫協会会長 松井明生氏
特別インタビュー 日本倉庫協会会長 松井明生氏
(カーゴニュース 2018年11月27日号)
・夏場に多発した、豪雨や台風、地震などの自然災害で、会員企業の中には被害を受けたところもあった。
・本年度第1四半期までは普通倉庫の実績は入庫量、出庫量、在庫トン数とも前年同期を上回った。自然災害による一時手的な影響以外は落ち込む要素はあまりない。
・中長期的には国内的には人手不足等の問題があり、国際的には国際社会の緊張を高める要因が多く、先行きを悲観視する倉庫・物流業者が増えてきているように思える。
・来年10月に予定される消費増税後には消費は間違いなく落ちる。その前の駆け込み需要とのプラスマイナスをどう見るか。
・「新たな問題への対応」と「災害対応力の強化」の2点を協会運営の柱にする。「新たな問題」とは、労働力不足への対応が中心になります。特にドライバー不足が顕在化しており、ドライバーの本来業務にないことは倉庫などの荷受け側が行っていくなど。トラック業界の労働環境の改善に協力していく。
・倉庫業界での労働力不足も徐々に深刻化してきています。人手不足を背景にした運賃的成果の動きは余り聞こえてこず、どちらかというと、過当競争による値下げ競争が続いている。
・IoT、AIなどによる庫内作業のロボット化・自動化についての関心は高まっているが、倉庫業者が現段階で、こうした新技術を導入できるかと問われれば、なかなか難しいと思う。
・2020年4月から施行される改正民法によって倉庫への寄託が「要物契約」から「諾成契約」に変わるということですが、個人的には大きな影響はないだろうと考えている。
・一昨年11月に施行された改正総合物流効率化法(物効法)における総合効率化計画の認定を受けるために省力化による生産性向上、たとえば、日倉協として物流ネットワーク全体の労働負荷軽減に資するトラック予約受付システムの紹介などにも取り組んでいる。また、認定件数の増加に向けて、引き続き、会員事業者からの相談などに対応している。
・――倉庫業界の人材育成については新入社員や若手社員を対象にした基礎研修や中堅層を対象とした専門研修、オンデマンド研修や安全衛生教育DVDライブラリーなど幅広い研修を用意している。
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